■イクメン?
近年「イクメン」という言葉をよく聞くようになりました。
イクメン:子育てを楽しみ、自分自身も成長する男性のこと。 または、将来そんな人生を送ろうと考えている男性のこと。
初めて「イクメン」という言葉を聞いたとき、「何それ?」と少し苛立ちを感じました。
子育てする女性は単なる「お母さん」「ママ」でしかないのに、なんだか特別なネーミングをしちゃって。
しかも「イクメン」を自称する人は「私は子育てしてます」なんてエラそうに言っているけど、それってお母さんたちが普通にしていることですよ、って。
っていうか、あなたの子供なんだから、子育てするのが当然じゃないですか、って。
でも、最近、どの媒体だったか忘れてしまったのですが、「イクメン」という言葉は意図的に使われ、流行するようにしている人がいたというのを知って、考えさせられました。
だって、「イクメン」なんていう言葉を流行させないと、日本の男性には「子育て」が浸透しないほどで、しかも、これだけ「イクメン」と言われるようになっても、正直さほど、男性が子育てすることが浸透していなさそうに感じたからです。
なので、以前に感じた「イクメン」という言葉への苛立ちは、最近はあまり感じなくなりました。
むしろ、そうやって日本という大きな社会にこびりついている意識を変えていく動きを、陰ながら応援したいなと思いました。
■子育ては手伝うものではない
さて、「イクメン」を自称する人の中に、ときどき「子育てを手伝っている」という人がいます。
これに違和感を覚える人もいるようですね。
手伝う:他人の仕事を助けて一緒に働く。手助けをする。助力する。
つまり、「手伝う」は、「(自分の仕事ではなく)他人の仕事を助ける」という意味なので、「子育てを手伝う」という言い方には「子育ては自分の仕事ではなく、妻の仕事を助ける」ということを意図しているというものです。
言っている本人がそこまで考えて言ったかはわかりませんが、お父さん自身が会社で働いている状態について「会社で仕事を手伝っている」と表現する人はほとんどいない中で、サラリと「子育てを手伝っている」という言葉が出てくるのは、もう、「子育ては自分の仕事ではない」というのが深層心理にあるということなのだろうと思います。
あぁ・・・本当に根が深い問題だなと感じさせられます。
■次は「イクボス」
最近は「イクボス」という言葉もよく耳にするようになりました。
前述の、イクメンが意図的に流行したのと同じように、「イクボス」が意図的に流行するような動きがあるようです。
イクボス:育児や介護など私生活と仕事の両立を目指す部下の事情に配慮し、活躍を後押しする上司。
多くの企業では、まだまだ役職者層の大多数が男性で、本当の「イクメン」が少ない中で、どれだけ本当の「イクボス」が存在するのか分かりませんが・・・
少なくとも、私の職場では全く明るい兆しを感じませんが、「イクボス」の誕生を待ちたいと思います。
また、私自身も仕事を積み重ねて、「イクボス」になれるように頑張らなければいけないのかなとも思っています。